2009年01月26日
_ アジャイルな見積りと計画づくり ~価値あるソフトウェアを育てる概念と技法~
献本いただきました。ありがとうございました。
今回はレビューワーとして参加させていただきました。レビュー期間中にAgile2008の準備があったり自分の方の監訳があったりで十分に貢献できたかどうかは分かりませんが、アジャイル界でも重要なポジションを占めるこの本のレビューに参加させてもらえたことは、大変光栄でした。
「訳者あとがき」にも出てくるJames Shoreは『』の中で、この本 (AEP) の12章のストーリーの分割の話を取りあげて絶賛しています。また、プランニングポーカーを使った見積りや狩野モデルによる優先順位づけなど思わず現場に取り入れたくなる興味深いアイデアもでてきます。私は実際にこの本で出てくる手法を訳者の安井さんや角谷さんが現場で適用しているのを間近で見てきて、その効果を実感してきました。
サブタイトルでひときわ目をひくのが「育てる」というキーワードです。本当に価値のあるソフトウェアは「つくる」のではなく「育てる」もの。レビューの際にこの本を通して読んでみて、そんな思いを強くしました。
著者のMike Cohnはこの本の出版にあたって「日本の読者に向けて」という文章を寄せてくれています。Mikeはこの中で「アジャイルだから計画しません」という主張に反論するためにこの本を書いたと言っています。そして、最近ではこういった台詞はめったに聞かなくなったそうです。日本ではまだこういった主張や誤解をされていることが多いように思えます。私自身もよくこういった誤解を元にした質問をうけることがあります。本書をきっかけにこうした誤解が少しでも解消され、よりよい見積りと計画づくりがビジネスに大きな価値と変化をもたらすことを願っています。