2009年02月01日 [長年日記]
_ ThoughtWorksアンソロジー —アジャイルとオブジェクト指向によるソフトウェアイノベーション
読みました。
北欧勉強会をはじめ、いろいろと交流させていただいているオブジェクトの広場のみなさんが訳されたということで、早速というほど早速でもないですが、読んでみました。
ひとつひとつのエッセイがコンパクトにまとめられているというのもありますが、翻訳が非常にこなれていてスラスラ読めました。何より専門用語に対する訳語がきっちり定訳にそっていて、その上、細かいところにこだわりが見られるのが素晴らしいと思いました。
最初の2つの章 (「ラストマイル」とFowlerのDSLの話) はこの本の骨格を成すものですが、それを除くと私のベスト3は
- オブジェクト指向エクササイズ
- プロジェクトバイタルサイン
- Antファイルのリファクタリング
あたりですね。
「オブジェクト指向エクササイズ」では同じタイトルでyojikと大村さんがデブサミで話をするみたいなので、そっちも楽しみです。「プロジェクトバイタルサイン」は実用的で自分たちのチームでも早速取り入れたいアイデアがありました。「Antファイルのリファクタリング」は半分ネタっぽい感じもしましたが、あくまでも真面目にやってるから面白いですね。
平鍋さんが書いているような理由で、ThoughtWorksにはシンパシーを感じます。そういえば、Agile2008でセッションを聞いて、少しだけ話もできたAmr Elssamadisyも元ThoughtWorkerで、人を引きつけるような話し方が印象的でした。この本を読んで、ThoughtWorksには個性の強い魅力的な人がたくさん集まってるんだなという印象をさらに強くしました。
2009年02月06日 [長年日記]
_ 予約注文がはじまりました
『』の予約注文がはじまっています。
『』もいい本ですが、こっちも外せません。渾身の一発です。詳しいことはデブサミ終わったら書く。
Amazonを見ると監訳者のところが「木下 史彦(監訳) (監修)」となっていて変ですが、これは仕方なくやっています。Amazonの商品情報DBには「監訳」というフィールドがありません(「翻訳」と「監修」というフィールドしかない)。そのため、やむなく「監修」のフィールドに監訳者名と「(監訳)」という表記を入れています。
オライリーの書籍紹介ページはこちら。
http://www.oreilly.co.jp/books/9784873113951/
bk1は相変わらず価格が間違っているけど、本当にこの値段で売るつもりなんだろうか。。。
サポートページも早々とオープンしています。(既にバグ報告が……)
2009年02月13日 [長年日記]
_ アート・オブ・アジャイル デベロップメント 〜テストが駆動するビジネス価値〜
デブサミで発表してきました。デブサミで発表することはひとつの目標だったので、嬉しいです。
この場をつくっていただいた岩切さん、t-wadaさん、かくたにさんに感謝します。ありがとうございました。また、発表を聞きに来ていただいたみなさん、ありがとうございます。
資料を置いておきます。
追記
あまのりょーさんが「このセッションは個人的には木下さんのRTだと思ってます」と書いてくれていますが、それに関してひとこと。
岩切さんにお会いして、デブサミでしゃべりたい旨を伝えたのが昨年末。そのときは枠がもう埋まっているということで、やんわりとリジェクトされました。そのときに、コミュニティLTへの応募を勧められたのです。でも、それもリジェクトされました。
なので、今回の発表は2回リジェクトされた者だけに許されるリジェクトリジェクトトークスだったのです。
2009年02月15日 [長年日記]
_ 【告知】『アート・オブ・アジャイル デベロップメント』刊行記念トークセッション
3月5日にジュンク堂池袋本店でトークセッションをやります。例によって電話でお申し込みください。
懇親会もやります。続報をお待ちください。
シークレットゲストも調整中ですので、お楽しみに!!
http://www.junkudo.co.jp/newevent/evtalk.html#20090305ikebukuro
『アート・オブ・アジャイルデベロップメント』(オライリー・ジャパン) 刊行記念トークセッション アート・オブ・アジャイルデベロップメントへの道 〜XPと歩んだ10年〜 平鍋健児 × 木下史彦 (監訳者) (監訳者) ■2009年3月5日(木) 19:00〜 アジャイル開発におけるXPプログラミングの重要性を説き、XPを チームに導入する意義と方法、さらにXPのプラクティスについて詳述 したアジャイル開発の決定版、『アート・オブ・アジャイル デベロップメント』。 日本のアジャイルをリードしてきた平鍋健児氏と開発の現場でアジャイル 開発を実践している木下史彦氏による監訳の日本語版が、オライリー・ ジャパンにより2009年2月に出版されました。 この出版を記念し、トークイベントを開催いたします。監訳者である 平鍋・木下両氏をお迎えし、アジャイル10年の歴史を振り返りながら、 開発現場でのアジャイルの重要性、導入と実践、またその中での苦労と 結実について、お二人自らの経験を元に大いに語っていただきます。
追記
シークレットゲストが岡島さんであることがさっそくパブリックになってしまいました。
2009年02月16日 [長年日記]
_ Subject To Change -予測不可能な世界で最高の製品とサービスを作る
今年の正月に読みました。
これはおもしろかったです。
「体験」、「共感」、「感情」といったところの説明がよかったです。UX系の話でありがちといえばありがちですが、iPodやコダックの事例には関心させられました。
最初はアジャイルの説明が取って付けたような印象があったけど、順番に読み進めているうちに、ここでアジャイルが出てくるのは必然のような気がしてきました。
製品・サービス開発に関わるひとだけじゃなく、私のように受託開発に関わる人にとっても考えさせられる内容だと思います。
2009年02月18日 [長年日記]
_ Release It! 本番用ソフトウェア製品の設計とデプロイのために
献本いただきました。ありがとうございます。
まず目をひくのが装丁です。轟木亜紀子さん、グッドジョブすぎます。もうこれは言うことないですね。本文中には『』でお馴染みの天使と悪魔が出てくるのも親近感が持てます。
4章の途中まで読みましたが、これはヤバイぞ。もうこの底知れぬヒリヒリ感は何でしょうか?2章のケーススタディのところから、グイグイ引き込まれて、まるで自分がその場にいるような気分になります。
そうかぁ。確かにjava.sql.Statementのclose()でSQLExceptionが投げられることはあるけど、そこまで考えて作ってないよな。JDBCドライバの内部に熟知している人を私は少なくとも1人、知っていますが。
本番用ソフトウェア製品においてはそこまで考慮が必要ということですね。分かります。
そういえば、ちょっと前まではtcpdumpとかetherealとか多用してたんですけど、最近はあまり使ってないなぁ。
2009年02月21日 [長年日記]
_ とちぎRuby会議01
とちぎRuby会議01に参加してきました。
行ってよかった。楽しかったです。
先週のデブサミで私の発表が終わった直後に咳さんが「Ask the Speaker」コーナーに来てくださったのが嬉しくて、今度は私が咳さんのところへ行こうと思ってデブサミが終わった翌日に申し込みをしました。
2冊続けて勝手に献本しているtkoさんにご挨拶するという目的もありました。
実はRegional RubyKaigiというものに生で参加するのは初めて(ustで見たりしたことはあった)だったのですが、本当にRegional RubyKaigiらしいRegional RubyKaigiで、こういうのがRegional RubyKaigiなんだなと実感できました。とちぎにはちゃんとしたRubyのコミュニティがあって、その中で共有されているコンテキストがあり、その上でRegional RubyKaigiという場に引き寄せられてきた人が、うまくそこに乗せてもらったという感じがしました。特に、toRuby勉強会でいつもやっているという写経をやれたのがよかったと思います。
Perl/Ruby Conferenceの話やmasarlさんの名前がでていたので、帰ってから20世紀をふりかえってました。今年は200x年代最後の年。こうやっていろいろなものを再発見していくのかもしれないと思いました。
スピーカーのみなさん、toRubyのみなさん、ありがとうございました。
2009年02月28日 [長年日記]
_ QCon Tokyo 2009でしゃべります
QCon Tokyo 2009でしゃべることになりました。
http://qcontokyo.com/tokyo-2009/session_35.html
しかし、すごい並び。がんばります。
2月末 (今日!!) までは、参加費用の早期割引が適用されますので、お早めにお申し込みください。
追記: 日本語でしゃべります。たぶん。