2010年04月09日 [長年日記]
_ アジャイルは終わっていなかった
Agile Japan 2010にボランティアスタッフとして参加しています。今年のAgile Japanに参加して、感極まったことがあります。
もう時効だと思うので、ここに書きます。一昨年 (2008年) のクリスマスイブの日、平鍋さんと四ッ谷で飲んでいました (ヒント: 『』の監訳者まえがき)。
帰りの中央線で平鍋さんとふたりになって、平鍋さんがふと「日本ではアジャイルは受け入れられないんじゃないか」というようなことをおっしゃったんです。「これだけやってきてこの結果だから、もう少しやってだめだったら、もうアジャイルって言うのをやめようと思っている」と。
そのとき私は思いました。日本におけるアジャイルのムーブメントに幕が引かれようとしていると。アジャイルは一夜の夢で終わってしまうと。
平鍋さんは付け加えて、少し考えていることがあるとおっしゃいました。それは、もっと多くの人や企業にアジャイルについて発言してもらう必要があるというような内容でした。
それから間もない、2009年4月にAgile Japan 2009が開催されます。思えば、あのとき平鍋さんが考えているとおっしゃっていたことが実現された瞬間でした。
そして、今日、Agile Japan 2010には200人を超える人が集まり、多くの事例が発表されています。あの会場の盛り上がりを目の当たりにして、アジャイルは終わっていない。そう確信しました。
私が今年、Agile Japanのスタッフに立候補した理由は、Agile Japanを立ち上げた平鍋さんの気持ちに少しでも応えたかったというのと、アジャイルが終わっていないことをこの目で確かめたかったということがあります。
そういう意味で、今日、あの場に居ることができて、本当に幸せでした。
_ Agile Japan 2010 Day1
今年はスタッフとしての参加だったのですが、会場の入口での誘導というオブジェクト倶楽部では平鍋さんが、RubyKaigiではogijunさんが担当しているという栄誉ある役職を仰せつかりました。
基本的にスタッフとしての仕事とは朝だけだったので、セッションもいくつか聞くことができました。
現場からの知識創造 〜スクラムと知の場づくり〜 野中郁次郎氏
私はお昼は受付にいたのですが、Agile Japanには一見似つかわしくない方がいらしたので、もしかするとIBM宛のお客さまが間違って迷い込んでこられたのかと思ったら、「野中ですが」と名のられたのでビビッた。
『』はMorning Beeの課題図書でもあったので、読んでいたのですが、本の堅い印象とはがらっと違って、ユーモアたっぷりの講演で、もっと聞いていたいと思えるものでした。考えさせられることも多かったです。
講演後に撮影させてもらった野中先生、Alan氏、平鍋さんの3ショット。
Web サービス開発の挑戦 〜楽天とDeNAの現場レポート〜
副題は「現場レポート」となっていますが、これまでによくあった現場の開発者の視点から見た現場レポートではなく、経営者やマネージャの視点から見た現場レポートになっていました。これは昨今のアジャイルの情勢を非常に的確に表していると言えます。
講演者のおふたりはIPAの非ウォーターフォール研究会の委員をされていて、アジャイルの広がりを実感できるセッションでした。
懇親会
野中先生、Alan氏、平鍋さんのパネルのときに安井さんが機転を利かせてAlan氏の通訳に入ったのが印象的で (すごくアジャイルだと思って) そのことをKPTに書いたら、本をゲットできました。