2008年06月04日 [長年日記]
_ 鉄則!企画書は「1枚」にまとめよ
最近、こういうのを書く機会が増えてきたので読みました。
A4 1枚というのがいいですね。何でもかんでもパワポはさすがにいけてないと思います。
サンプルも豊富だし、是非真似してみようと思いました。
2008年06月05日 [長年日記]
_ ソフトウェアプロジェクトの救済入門—危機的状況に陥ったプロジェクトを救う実践的アプローチ
読みました。
これはなかなかタイムリーで為になりました。
この本の対象としているプロジェクトは割と大きめのプロジェクトだと思うのですが、うちでやっているような比較的小規模のプロジェクトにも適用できるところはたくさんあると思います。
プロジェクトが危機的な状況に陥らないようにすることは当然大切なのですが、成功率が10%台と言われているようなITプロジェクトにおいて、危機的状況から抜け出すためのプラクティスを持っていないというのは危うすぎるのではないかと感じています。
この本ではプロジェクトの救済には10個の段階があると書かれているのですが、Step1が「中断」で、いきなりハードルが高い。プロジェクトを止めずに、対策を打とうとしてズルズル行くプロジェクトをたくさん見てきました。今まで見てきた中で、プロジェクトを止める*1という決断をできたプロジェクトマネージャはいませんでした。プロジェクトを止めるというのは勇気のいる決断で、とても恐いことなんだと思います。しかし、製造業の世界では「ラインストップ」と言われるように、やっぱりそういう決断が必要なときはあると思います。
この本によると、プロジェクトを止めた後、プロジェクトやチームを評価し、実現性のある最小ゴールを定義します。そして、チームを再編成して、リスクの分析と計画の立て直しをやって、最後に再び危機的な状況に陥るのを防ぐための仕組みをつくって、ライン再開となるわけです。これを2週間以内にやれって書いてあります。
riueさんも書いておられるように、"Catastrophe Disentanglement" を「救済」と訳したのは上手いと思いました。「火消し」と言っていないのがいいですね。
*1 「やめる」じゃなくて「とめる」です
2008年06月06日 [長年日記]
_ Rubyを256倍使うための本 網道編
随分前に買っていたのですが、最近読みました。
この本のテーマはふたつあって、ひとつがeRubyで、もうひとつがdRubyです。公私ともお世話になっています。この日記はtDiaryですし、仕事ではdRubyはなくてはならないものになりました。
ここ3週間くらいはずっとRubyのコードを書いているのですが、こんなにRubyのコードをたくさん書いたのは生まれて初めてです。
思い起こせばRubyを初めて仕事で使ったのは、1999年のことでした。『』が出版されたばかりの頃で、当時の会社の先輩*1がテストデータをジェネレートするツールをRubyで書いていて、それをちょこっと修正したりしたのが最初でした。そのときはブロックが全然理解できてなかったな。初期値と終了値と増分を指定するC言語スタイルのfor文がないのがすごく不思議でした。懐かしいなぁ。
プログラミングって、楽しいですね。こんな時間がずっと続けばいいのに、と思うのですが、現実はそんなに甘くないのでした。
*1 Linux系のコミュニティで活躍されていて、jfbtermというプロダクトのコミッタをされてました。
2008年06月07日 [長年日記]
_ 経営戦略のトリセツ[取扱説明書]
読みました。
ずっとプログラムを書いている訳にはいかないので、ずっとプログラムを書いていられるようにするにはどうすればいいかを考えています。
この本はなかなか勉強になりました。孫子の兵法とかランチェスター戦略とかSWOT分析とか3C+マクロ環境分析とか、基本的なことが一通りでてきます。
2008年06月08日 [長年日記]
_ アジャイル開発は納豆カレーに似ている
カレーだけで十分美味しいのに、なぜ納豆を入れるのか?
カレーというとどこの家庭でも定期的に食卓にのぼる定番メニューだと思います。では、納豆カレーはどうでしょうか?とたんに好き嫌いが分かれると思います。食べたことがないという人のほとんどは食わず嫌いで、実際に食べてみると、納豆の独特の臭いはカレーの香りで緩和され、カレーの味もマイルドになっていることが分かります。ヘルシーですしね。えっ、納豆なんて人間の食べるものじゃない?!
システム開発だけで十分ビジネスになるのに、なぜアジャイルとか口走ってしまって、受注できるはずの案件を失注してしまうのか?なぜそんな茨の道を行くのか?
納豆カレー専門のカレー屋なんて、あまりにもリスクが高すぎるということでしょうか?私はこのリスクに立ち向かいたいと思っています。
カレーとセットにするものといえば、福神漬けですよね。アジャイルのことを納豆じゃなくて福神漬けくらいに思っていただけないもんでしょうか。納豆カレーがふつうのカレーで、いままでふつうだと思ってたカレーは納豆抜きカレーくらいの感じに思っていただけるようにしていきたいと思っています。
納豆カレー はじめました。
2008年06月12日 [長年日記]
_ ウチのシステムはなぜ使えない SEとユーザの失敗学
読みました。
3行に1個所はツッコミどころがあるというトンデモ本。
全く面白くなかったです。何が面白くないかというと、本田勝一さんの言葉を借りると「文章が笑っている」んです。
ユーザ側からはこういうふうに見えているのか、という参考にはなりました。しかし、ひどい言われようやなぁ。
2008年06月13日 [長年日記]
_ トヨタ式自分「カイゼン」術—「カイゼン」「視える化」がおもしろいほどわかる!
読みました。
カイゼンのドラゴンてwww
マンガだと思って読んでいたら、コラムがガチ。
「風が吹けば桶屋が儲かる」の語源が分かりました。なぜなぜ5回と絡めるのはちょっと強引かな。
2008年06月14日 [長年日記]
_ プレゼンテーションの極意
読みました。
熱いなぁ。こういうのは好きです。
プレゼンテーションの技術について書かれている本はたくさん読みましたが、この本はプレゼンテーションをするときの気持ちについて書いてあります。大げさに言えば、これが川崎和男という人の生き方なんだと思いました。
当たり前のことが書いてあるのですが、忘れてしまいがちなことです。原点に引き戻される気分です。
特に、ナイキの人のエピソードが印象的でした。スコッティのエピソードもよかったなぁ。
2008年06月15日 [長年日記]
_ Apple USB Ethernet アダプタ MB442Z/A
つくばのホテルを予約したんですが、やっぱりホテルのネットワークは有線のしかないみたいだったので、買ってきました。
うちからつくばまで100km以上あるので、3日間通うのはさすがに辛い。ちなみに反対方向に100km行けば新富士まで行ける。
2008年06月19日 [長年日記]
_ 明日からRubyKaigi
明日からいよいよRubyKaigi2008がはじまります。
私の勤務先である永和システムマネジメントもブースを出展します。0日目は私もブースで、弊社の「ふつうのシステム開発」をご案内させていただきます。お気軽にお立ち寄りください。
0日目は無料ですので、今からでも上司を説得してください。そして、上司を連れてきてもらえると嬉しいです :-)
_ ほげ [髪のとんがった上司の方がよいのでしょうか。]
2008年06月21日 [長年日記]
_ RubyKaigi'08 1st day
参加しました。
- 今年のRubyKaigiは「多様性は善である」というのがテーマなんだと思いました。
- GlassFishのデモが良かったです。
- 今日のMatzはいいこと言ってました。特に、「過去を継承」と「感性を重視」のところ。
- YuguiさんのBDDの事例はふつうに良かったです。
- 銅鑼に厳しい某社。
- toRubyの話は泣けました。こういう人たちのところにITを届けられなくて、日本のSIerは不甲斐ないね。
- 資料を使わないプレゼンは去年のXP祭りで渋川さんがやってましたよね。
- Ruby札幌勢いありますね。Ruby札幌名刺コンプリートしたい!!
- Yoshioriさんにコーヒーをおごる約束をしました。
2008年06月22日 [長年日記]
_ RubyKaigi'08 2nd day
参加しました。
- 咳さんの話はいつも通り面白かったです。
- 野村さんがJUDEの宣伝までしてくれました。いろいろありがとうございました。
- MacRubyがどうやらすごいらしい。
- 山本陽平さんの話は丁寧でかつ分かりやすかったです。A>C>U>>>>>>S というのは、「うーん、なるほど」と思ったし。
- 「Enterprise Ruby」は半分くらいはいい話でした。Rubyの会社への貢献を経営者に示すのに「楽しさ」とか「生産性」とか言ってたらダメだというのは実感してますし。コードレビュー・セッションの話とか、Rubyの研修コース(3日間)とかは、大きい会社だとそうなってしまうのは分かりますけど、ちょと辛いですね。
- ZevさんのiKnowの事例は今回の中で一番良かったです。折角、Rubyの仕事をやってるんだったら、こういう事例を発表したいですね。ちなみに、スライドの最初に出てくる図を見た瞬間に、Zevさんの言っているアジャイルと私の思っているアジャイルは同じアジャイルだな、と思ったので終わってから名刺交換してXPJUGに誘っておきました。
- jpmobileのおもてなし度はハンパないですね。
- ブースの撤収もスムーズで助かりました。 > 弊社
- takkanmすげぇな。こういう人に仕事でRubyを書いてほしいので、がんばって仕事取ってこれるようにします。
今年も楽しかったです。講演者のみなさん、スタッフの皆さん、ありがとうございました。今年は一般参加者として参加したことと会場の近くに宿をとったこともあって、落ち着いてRubyKaigiを楽しむことができました。ありがとうございました。
来年はスピーカーとして参加したいなぁ。Zevさんみたいな、かっこいい事例紹介をやってみたい。
_ かくたに [おお、ナイス。XP祭りでZevの話ききたい!]
2008年06月24日 [長年日記]
_ サーバントリーダーシップ入門
読みました。
人々に学び 人々と一緒に計画し 人々が持っているもので始め 人々が知っていることの上に築きなさい。 リーダーが真に優れていれば、 終わってみると 人々は口々にこういう 「自分たちの力でやり遂げた」と。 ——老子
この本を読み終わったとき、この老子の言葉がふと頭に浮かびました。サーバントリーダーシップというのはきっとこういうことなんですね。ファシリテータに近いですが、理念やビジョン、ミッションを持っているという点がサーバントリーダーの特徴なのだと理解しました。
『踊る大捜査線』の和久さんというのは、分かりやすい例えでした。「リーダー=ぐいぐい引っ張っていく人」というイメージだと和久さんの名前は絶対に出てきませんが、「リーダー=奉仕する人、支える人、自然と人がついてくる人」というイメージだとしっくりきます。
私の考えているリーダー像とも重なる部分が多く、共感できました。
2008年06月27日 [長年日記]
_ オブジェクト倶楽部2008夏イベント アジャイル開発トラック
GTD+Rやライフハック・プラクティスでライフハック界に旋風を巻き起こし続けている太田憲治さんが「オブジェクト倶楽部2008夏イベント」に参加されるそうです。
そこで、せっかくなのでアジャイル開発トラックの特別コーチをやってもらおうかと思っています。(本人にはまだ何も言っておりませんが)
太田さんは私の前の会社の先輩であり、手探りの状態から一緒にXPでの開発をはじめました。かれこれ足かけ3年、アジャイル開発を実践されていますので、いろいろな知見を教えてもらえると思います。
では、イベント当日お会いしましょう!
2008年06月29日 [長年日記]
_ エンジニアのためのWord再入門講座 美しくメンテナンス性の高い開発ドキュメントの作り方
読みました。
これは非常に実用的な1冊です。
スタイルが肝だと言うことは薄々勘づいていたのですが、これまではここまで強いこだわりを持ってWordを使うことはできていませんでした。
著者の佐藤竜一さんとは今年の1月から3月まで一緒に仕事をさせていただいていたのですが、実際に現場で
ドキュメントは1が「見栄え」で2が「メンテナンス性」、内容はそれからだ
とおっしゃっていました。
実際に佐藤さんの作ったWordのテンプレートを使ってドキュメントを作成していましたが、これがWordかと思うほど快適でした。
その後、『』を参考に企画書をWordで作ってみるなど、Wordに対してポジティブになれました。
2008年06月30日 [長年日記]
_ Agile2008 Keynote Speakers
8月にカナダのトロントで開催されるAgile2008 Conferenceに参加する予定なのですが、セッションの数がとにかく多いので、今から少しずつ調べていこうと思っています。
まずはKeynoteから。
James Suroweicki
『』(邦訳は『 』) の著者です。
一握りの天才や専門家たちが下す判断よりも、普通の人の集団の判断の方が実は正しいという論理を展開しています。
XPやScrumをはじめとするアジャイル開発ではチームワークが重視されますが、「烏合の衆」や「集団浅慮」と言われるような状況に陥る危険性をはらんでいることも事実です。
James Suroweickiはソフトウェア開発者ではありませんが、「群衆の知 (Collective Wisdom)」とアジャイル開発をどのように絡めてくるか、今から楽しみです。
Robert C. Martin
彼の経歴についてはほとんど説明が必要ないですよね。ボブおじさんです。
近刊は『』です。会場で先行販売とかあるんでしょうか?
日本では『』がもうすぐ発売になりますね。こちらも楽しみです。
講演タイトルは『Oh, Agile!』という煽り気味なタイトルになっていて、これだけでは何の話をするのかよく分かりませんが、ディナー会場での講演になるみたいなので、きっと面白いことを言ってくれるのでしょう。
Alan Cooper
「Visual Basicの父」と言われている人物です。
彼の代表的な著作は2つあって、ひとつが『』(初版の邦訳は『』)、もうひとつが『』(邦訳は『』) です。この2冊は「ソフトウェア開発者のための推薦図書」にも入っている名著です。
どういう話が聞けるか分かりませんが、「ユーザーセンタードデザイン(UCD)をエクストリームプログラミング(XP)の中で実現するには」みたいな話を期待しています。
_ 菅仲ファン [工場運営に関しては良い事が描いてありましたが、一番大切なことが抜けております。 『お客様』の顔が一度として出てきませ..]