2008年08月02日 [長年日記]
_ 【直前】Agile2008セッション紹介 Tuesday
土壇場になってAgile2008のプログラムをチェックしたので、気になったセッションを時間軸に沿って、だらだら書いてみたいと思います。
たくさん聞きたいやつがあって、自分の体がひとつであることとこれほど恨んだことはありません。しかし、同時開催セッション数が30以上というのはすごいな。
まだどれに参加するかはちゃんと決めていません。
Keynote
これは前、書きました。
http://fkino.net/20080630.html#p01
『』は予習ということで買って読んでみました。
Morning II
- Mary Poppendieck登場
- 今回のカンファレンスのコンセプトについて語るのか?
- いきなりテスティング系のセッションが充実
- Test-Driven Ajax
- TDD Clinic: BDD & Rails
- Behavior Driven Development Using Plain Old JUnit
- Pragmatic Personas: Connecting with Developers Via TDD
- "Agile Geek at Large"ことDavid Hussman
- ペルソナとTDDって、これヤバイ。
- 自分が発表するのでこのコマは聞けないんだなぁ。
Afternoon I
- Agile Estimating And Planning
- Mike CohnのTutorialが面白そう。
- セッションタイトルと同名の書籍があります。
- Mastering Selenium
- うーん。気になる。
- TDD Clinic: Ron & Chet
- 『』のあの2人が。
- Annは来ないのかな。
- 言語はJavaみたい。
- Advanced Test Patterns in C++
- MSの人がCppUnitの使い方を教えてくれる。
- Maryがまた出る
- OSSとAgileについて
- Storytelling Skills for Agile Teams
- おぉー、のRebecca Wirfs-Brocksがストーリーテリングについて語る。
- Diana and Esther's Excellent Retrospective Adventures
- あの『』のふたりがふりかえりを教えてくる。
- Secrets of a Stickey Note Ninja: Rapid Ideation and Problem-Solving with Post-It Note UX
- Ninjaて。釣りかな?
Afternoon II
- Trouble with Component Teams and an Alternative
- Bas Vodde本人による『』の紹介。
- 面白そう。
- Money for Nothing and Your Change for Free: Agile Contacts
- タイトルにひかれた。みんな興味のある、契約の話。
- 念のため言っておくと講演者のJeff SutherlandはKen Schwaberと並ぶScrumの重鎮。Agile Manifestoにも名前を連ねている。
- XP: My Greatest Misses 2000-2008
- 事例紹介ではあまり聞かない失敗学。
- IBMの人がしゃべる。
- Postcard Patterns: An Agile Pattern Creation Process
- 面白そう。
- 私の中で空前のパターンブーム。
- Salesforce.comの人がしゃべる。
_ 【直前】Agile2008セッション紹介 Wednesday
Morning I
- Natural Laws of Software Development -Deriving Agile Practices
- また、Ron & Chet
- プラクティスの話か。
- Agile at Scale: What It Takes on the Right-Hand Side of the Chasm
- Trontoが地元のScott Ambler
- Legacy systems and databasesとかいろいろ。
- xUnit Test Patterns and Smells; Improving Test Code and Testability through Refactoring
- Gerard Meszaros
- 同名の著書の紹介かな。
- Starfish are Agile!
- LTネタっぽいな。
- Value Stream Mapping -Extending Our View to Enterprise
- Alan Shalloway
- 『』の人。オブジェクト指向、オブジェクト指向と言っていた人がLeanに傾倒するパターンか。
- これはヤバイんじゃないか。楽しみ。
- Building Your Coaching Skills
- Johanna Rothman
- これはすごい。Johannaのコーチ養成講座。
Morning II
- メインステージが熱い。
- Who Do You Trust?
- Linda Rising
- 直球か
- 10 ways to Screw up with Scrum and XP
- Henrik Kniberg
- 『』の人
- Pressure and Performance: The CTO's Dilemma
- ふりかえりのDiana LarsenとXP厨のJames Shore
- Panelをやるみたい。
- これは見物だ。
- Agile Developer Practices for Dyamic Language
- Groovy とか ruby とかの話。
- rubyタグのついているsubmissionはことごとく落とされている中で唯一の通過。
- Legacy Code Kynote
- Michael Feathersから直々に話が聞ける
- Beatlesを歌うセッションがあるみたい。
Afternoon I
- The Transition to The Electronic Task Board
- 何?まさかTRICHORDじゃないよな。
- Refactoring Stragegies & Tactics
- Joshua Kerievsky
- 『』の辺の話をするんかな?
- TDD Clinic: C++
- CppUnitか。
- Rebeccaまたしゃべるの。
- Skills for the Agile Designer
- Lindaもまたしゃべるわ。
- Leadershipの話。
- Prioritizing Your Product Backlog
- Mike Cohn再び。
- これはいいセッション。
- 狩野分析法のTutorialですか。
Afternoon II
- Executable User Stories with RSpec and BDD
- 面白そう。
- GTD + Kanban + Round Robin for Product Owners
- これも面白そう。
- Overcoming Brook's Law
- XPがブルックスの法則に打ち克つ?
- ほー。またRon & Chetか。
- 今度はRelease Planningの話。
- Fully Distributed Scrum: The Secret Sauce for Hyperproductive Outsourced Development Teams
- Jeff Sutherland再び
- 分散スクラムか。興味ある。
_ 【直前】Agile2008セッション紹介 Thursday
Morning I
- My First, shorest, And, Most Recent Agile Testing Frameworks
- Ward Cunningham
- 御大ktkr!!
- Coding Contestがあるのか。
- Golfはないのな。
- Don't Give up on Mocking!
- すごいタイトルw
- Agile Architecture is Possible -You First Have to Believe!
- Legacyトラック。
- これも、すごいタイトルw
- KFC
- ケンタッキーじゃない方ね。
- Beginner's Mind -The Zen of Agile
- Zenかよ。
- と思ったら、これはヤバイ。本気じゃないですか。
- しかも、David HussmanとJean Tabakaだ。
- "Zen Mind, Beginners Mind" -Suzuki Roshi
- ああ、鈴木老師ね。
- User Story Mapping: Making Sense out of Your User Story Mapping
- submissionに載ってた写真が楽しそうだった。
- またScott Amblerか。
- そして、またまたMary。
- Appraisals and Compersation: The Elephant in the room
- 評価についてか。
- The Software Project Manager's Bridge to Agility
- Michele Sliger, Stacia Broderick
- タイトルと同名の著書の著者による講演
- Sketchboards and Prototype: Agile Methods for Better and Faster UX Solutions
- Sketchboardsってどんなんやろ?
- ペーパープロトタイピング?
Morning II
- Domain Specific Testing Language
- 面白そう。
- TDD Principles for Database Development
- Legacyか。
- Agile Planning in Action
- James Shoreが計画づくりについて教えてくれる。
- Guerilla Agile: Stop Playing Schedule Game
- Johanna Rothman
- 過激なタイトルやな。
Afternoon I
- Casino?
- Agile Development in a medical Device Company
- 咳さんかと思ったw
- From Concept to Product Backlog -What Happens Before Iteration 0?
- Gerard Meszaros
- 『』の人だけど、こういう話もするんですね。
- Iteration 0か。
- また、Johanna。
- The Aikido of Agile Project Metrics
- Zenの次はAikidoかよ。
Afternoon II
- LT
- レギュレーションはどんな感じかな?
- The Agile Haiku Workshop
- Haikuかー。
- Joshua Kerievsky再び。
- Enterprise AgileのPannel
- Touchy-Feely Impediments to Agile Adoption
- Amr Elssamadisy
- 『』の人。
- 著書の紹介かな。
Keynote
これも前、書きました。
http://fkino.net/20080630.html#p01
今回は「Clean Code」というシリーズのセッションがあります。
_ 【直前】Agile2008セッション紹介 Friday
Morning I
- Collaboration Explained -Tools for Facilitation Real Agile Teams
- Jean Tabaka
- 同名の著著がある。
- 面白そう。
- Starting A Kanban System for Software Engineering with Value Stream Maps and Theory of Constraints
- かんばんとバリューストリームということで、身内がしゃべんのかと思ったw
Keynote
これも前、書きました。
http://fkino.net/20080630.html#p01
『』は邦訳が出ましたね。
2008年08月03日 [長年日記]
_ Agile2008に来ています
成田から飛行機に乗ること11時間30分。Agile2008に参加するためにTeam goyattomのメンバーと一緒にカナダのトロントに来ています。
明日から熱い5日間が始まります。
2008年08月04日 [長年日記]
_ Agile2008 0日目
今日からいよいよAgile2008が始まりました。始まったと言っても、本格的なセッションは明日からで、今日は「Research-in-Progress Workshop」という研究成果発表と「Musik Masti」というミュージックセッションが行われました。また、夜は「Icebreaker」という前夜祭が行われました。いわゆる0日目ですね。
Team goyattomのメンバーと一緒に朝会をして、その後、Registrationを済ませました。RegistrationでもらったConference Bagには電話帳くらいの分厚さの冊子が入っており、その中に私が書いたExperience Reportも載っていました。
載ったどーーー!!
それから、Open Spaceに移動して、日本勢の活躍をアピールすべく貼り物をしました。
夕方は「Musik Masti」に出場するessenceさんのセッションを応援しに行きました。
夜は「Icebreaker」に参加しました。日本で言うアイスブレイクとは違って、ミュージシャンやマジシャン、それに占い師が来たりと、相当、本格的なものでした。
戦利品はMary Poppendieckと名刺交換できたのと、Johanna Rothmに挨拶できたこと。Johanna Rothmの前でもぞもぞ自己紹介してたら、「あなたのことは覚えてるから」と言われた。なんたる光栄。
それから、デンマークのThomas Blomsethさんも私のことを覚えていてくださっていました。「今回のConferenceでしゃべるんだよね。がんばれよ」と言われたような気がする。
しゃべるのはいよいよ明日です。今日、会場の下見をしたら自分がしゃべる会場が思ったより広くてビビリました。うーむ。
2008年08月05日 [長年日記]
_ Agile2008 1日目
朝はInfoQのWriterの方やEditorの方と食事に行きました。『』のAmr Elssamadisyが来てました。よくしゃべる人だったなぁ。
ちょっと遅れてKeynoteに。James Suroweickiの話だったのですが、自分のセッションの準備があったので、途中退席しました。Visual Studioのコードサイズは割と惜しかったです。(正解が43millionで私の予想が50millionでした。)
自分のセッションについては下の記事に書いたとおりです。
講演後にセッションオーナーのJohanna Rothmanに挨拶しに行って、『』にサインをもらいました。メッセージまで添えてもらいました。
午後からは安井さんの「Agile Communities In Japan」の応援に。
そのあと、Mike Cohnの「Agile Estimating And Planning」に顔を出しました。途中しか聞いていないのですが、一応、本 (『』) の内容に沿って話を進めていたのかな。
最後は、Jeff Sutherlandの「Money for Nothing and Your Change for Free: Agile Contacts」を聞きました。これはあとでちゃんと整理したいなぁ。"Scrum: A Pattern Language for Hyperproductive Software Development"だそうですよ。
夜はMicrosoft主催の懇親会に。いきなり呼び止められて"Your presentation is very funny."と言われたり、やっぱり発表してよかったです。(XPJUGやオブラブでしゃべってもそんなに反響ないのに。) それから、masayangさんにお会いすることができました。
_ Agile2008で講演しました ——Practices of an Agile Team
Agile2008での自分の発表が終わりました。
海外のカンファレンスは面白くなければ途中で退席するのが当たり前の世界だと聞いていたのですが、みなさん最後まで聞いていただきました。(40人くらいいたような気がします。) ありがとうございました。
微妙に伝わらないところがあったかもしれませんが、2つ3つ笑いが取れたのでよしとしよう。いやぁ、通じるもんですね。
不思議と日本で発表するときよりも緊張しませんでした。度胸だけはつきました。今回は原稿を見ながらの発表になってしまったので、次は原稿なしで発表できるようになりたいです。
今回の発表にあたり、次の方に英語のチェックをしていただきました。Leonard Chin(レオ)さん、高嶋優子さん、安井力さん、平鍋健児さん。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。
資料をあげておきます。
2008年08月06日 [長年日記]
_ Agile2008 2日目
自分の発表が終わってほっと一息の2日目です。
朝一はAlan Shallowayの「 Value Stream Mapping - Extending Our View to the Enterprise」のWorkshopに参加しました。英語でのWorkshopは参加するのも勇気がいります。しかも、Alan Shallowayは高校の時の英語の先生に似てて、おっかなかったな。
うちの会社のメンバーと合宿でつくったValue Stream Mapを見せたのですが、それはScrumのValue Stream Mapだと言われました。LeanのValue Stream Mapはもっと視野が広いということが分かりました。
次に聞いたのが、Diana LarsenとJames Shoreによる「Pressure and Performance: The CTO's Dilemma」でした。途中はパネルディスカッションになってよく聞き取れなかったのですが、最後のまとめで"A Pattern Language"が出てきたり、CTO-Level Practiceとして次の4つを紹介していたのが興味深かったです。
- Moving to servant leadership
- Projecting vision and context
- Develop and coaching people
- Addressing emotional baggage
私は「servant leadership」に反応したのですが、平鍋さんは「emotional baggage」に反応してました。
講演のあとで平鍋さんと一緒にJames Shoreに挨拶に行きました。一緒に写真を撮ってもらえたのとサインをもらえたのがよかったです。
昼休みはVersionOneのブースに突撃して、Estimation Cardをゲットしました。ちなみに、うちのRuby x Agileの営業用の資料はVersionOneの資料を勝手に参考にさせてもらっているので、VersionOne様様です。
午後からはLinda RisingとMaryLynn Mannsの「Becoming a fearless leader of change (to agile or any new idea) in your organization」を聞きました。『』は本当にヤバイのでみんな読むといいよ。特に先週の沢マンで中埜さんの話を聞いて衝撃を受けた人は、もう一度衝撃を受けることになると思います。
Linda Risingのサインももらいました。Linda Risingはヤバイ。
今日の最後に参加したのは「Executable User Stories with RSpec and BDD」です。Cucumberというツールの紹介でした。これは、まぁいいですね。
このセッションに参加してみて思ったのは、Agile2008全体では女性の参加者も結構高いのですが、RSpec and BDDのセッションは女性比率が低かったということ。Rubyはやっぱりもてないですね。ちなみにAgileはもてますよ。(多分)
しかし、Agile2008はヤバイです。
あと、今日は一日中、SlideShareのfavoriteにaddしたよというメールがひっきりなしに飛んできてたいへんなことになってました。自分のスライドがSlideShareのトップページに表示されるというそうそうできない経験をさせてもらいました。
2008年08月07日 [長年日記]
_ Agile2008 3日目
時差ボケも完全に解消された3日目です。
朝一はMichele SligerとStacia Broderickの「The Software Project Manager's Bridge to Agility」を聞きました。Staciaがこんなに綺麗な人だとは知らなかったので、正直油断してました。Project Manager歴が14年でScrumMasterのTrainerの資格があるそうです。
講演の最後にプロジェクトにかかる費用を試算する式が出てきて、プログラマが何人で何イテレーションでいくら、DBAが何人で何イテレーションでいくらという計算をしたあとに、某クレジットカード会社のCMのパロディで"Facilitating the negotiation of the team and customer = PRICELESS!"と言っていたのが印象的でした。
講演後に突撃して『』に2人のサインをもらいました。
その後は、Johanna Rothmanの「Guerilla Agile: Stop Playing Schedule Games」を聞きました。これも一種のパターンと呼んでいいですね。
午後はGerard Meszarosの「From Concept to Product Backlog - What Happens Before Iteration 0?」を聞きました。Gerard Meszarosは『』の著者として有名ですね。ConceptをBacklogに落とすところまでのValue Streamにそって話が進められました。
まあ、講演の内容は置いておいて、例によって講演後に突撃して「日本人はあなたの本をぶった切って読んでいます」ということを伝えようとしたら既に知っていたみたいです。先に言われてしまいました。何で??「t-wadaメソッド」という名前は知らなかったみたいなので、教えておきました。併せてt-wadaさんのことも軽く紹介しました。顔写真を見せたところ "cool!!" と言っていました。
最後はAmr Elssamadisyの「Touchy-feely Impediments to Agile Adoption」を聞きました。元ThoughtWorkerだそうです。しかし、終始オーバーリアクションでテンションが高かったです。独特の魅力がある人ですね。
Linda Risingが聞きに来ていたのが、印象的でした。というか、そりゃ聞きに来るわなという内容でした。『』とか出てきましたし。
講演後に突撃してサインをもらいました。そろそろ、お気づきかもしれませんが、こっちへ来て何冊本買ってるんじゃと。
Amrは一昨日の朝、一緒にご飯を食べたのを覚えてくれていました。彼はInfoQのWriterでもあるので、彼の記事を翻訳する約束をしました。Amrの記事は近いうちにサインアップしよう。
講演終了後は、Banquetです。
BanquetのKeynoteはRobert C. Martinだったのですが、あんなにひょうきんな人だとは知りませんでした。
その後、アジャイルコミュニティでは由緒のある「The Gordon Pask Award」の授賞式が行われました。
ここで、重大ニュースです。平鍋さんが「The Gordon Pask Award」を受賞されました。これはすごいことです。
平鍋さんの受賞スピーチがまたグッときました。ヤバかったです。
最後は「Dear XP」で締めくくりました。
まさか、これだけの人の前で「Dear XP」をやるとは。恐るべし
2008年08月08日 [長年日記]
_ Agile2008 4日目
いよいよ最終日です。
朝一でJean Tabakaの「Collaboration Explained--Tools for Facilitating Real Agile Teams」に参加しました。
Exerciseで朝会をやったのですが、いつもやっていることとは言え、日本人じゃない人7人に囲まれて英語で朝会をするのは大変ですね。
JeanからもサインをもらってMission Completeです。
その後はAlan CooperのKeynoteがありました。
Alan Cooperのプレゼンは芸術的でした。
午後からは「Re-run」といってアンコールのセッションがあったのですが、私はHenrik Knibergの「10 ways to screw up with Scrum and XP」に参加しました。
Henrikは日本語が上手ですね。いきなり「今、何時?」って聞かれたのでビックリしました。
講演の元になっている書籍はこちら。
邦訳はこちら:http://mamezou.net/modules/xfsection/article.php?articleid=113
こんな感じでAgile2008は終了しました。
2008年08月10日 [長年日記]
_ Agile2008を終えて
トロントから無事に帰ってきました。
時差のせいで土日がほとんどなくなってしまいましたが、充実した1週間でした。
やはり、自分が海外のカンファレンスで講演できたということが一番大きかったと思います。ここに至る経緯をちょっと整理してみたいと思います。
思い起こせば私は昨年の10月から今年の1月まで毎月福井に行ってセミナーを受講していました。そのセミナーの卒業式で「3年後、5年後、10年後に自分が実現したいこと」というテーマで各自の夢を発表しました。その5年後に実現したいこととして、Agile Conference (5年後ですからAgile2013ですね) で講演すると書きました。これは1月19日のことです。計画なんていい加減なもので、7ヶ月で実現してしまいました。
そのセミナーの卒業式の1週間後の1月25日、某打ち合わせの帰りに天野さんから、今日新宿でAgile2008に行く人が集まるよっていう話を聞きました。そのときは、あまり真剣に考えていなかったのでスルーしてました。
さらにその1週間後、懸田さんのブログにAgile2008のことが取り上げられていたので、その時点でもあまり真剣に行くことは考えていなかったのですが、専用のメーリングリストに交ぜてもらいました。
それで、2月25日がAgile2008で発表するためのsubmissionの提出期限だったのですが、あまり自分はsubmissionを出すつもりはありませんでした。それが、2月22日にひょんなことで懸田さんや天野さん (その場には角谷さんもいた) とAgile2008のsubmissionの相談をすることになって、話の流れ上、私もsubmissionを出してみることにしました。
2月24日のほぼ1日でsumissionを書いて、ダメ元で出してみました。それが、このsubmissionです。
それからしばらくはAgile2008のことはあまり考えていませんでした。
そして、4月8日、私の運命を変える1通のメールが届くのです。それは、Johanna Rothman (その時点ではまだ『Manage It!』の人だということに気づいていませんでした) からのメールでした。メールの内容はsubmissionが通過したのでExperience Reportを提出しなさい、というものでした。Experience Report!! そんなもん聞いてないと思いながら、Agile2008のホームページを見てみると、ありましたよ。Experience Report。
それからは地獄の日々です。想像してみてください。英語で論文を書くんですよ。締め切りは5月16日です。4月中に日本語を仕上げて、ゴールデンウィークを使って英語にしました。ゴールデンウィークはopakenさんの無茶振りというハプニングもあったので休みは完全に消失しました。ゴールデンウィーク後半からは、レオさんや高嶋優子さん、安井さんにお願いして、英語のチェックをしていただきました。これは大変心強かったです。そんなこんなで、Experience Reportは何とか完成し、締め切りギリギリで提出することができました。これはもう1回やれと言われてもできませんから。今度、もしやるなら、金を出して翻訳業者に依頼することにします。
というか、Experience Reportを重いからと言ってホテルに捨てて帰っているのはちょっと酷いです。血と涙と汗の結晶ですよ。これは。
そして、これで終わるはずがないのがAgile2008。次は講演資料の準備です。当日配布するCDに入れるというので、締め切りが6月30日になっていました。これは、基本的には過去にオブラブとかでやった講演資料の流用なので楽でした。Experience Reportを書いたことで構成もできていましたし。講演資料のレビューは主にレオさんにしていただきました。笑いのポイントを入れたくて、ここで笑いが欲しいが海外の人にうけるかどうか、というようなこともアドバイスしてもらいました。
そして、いよいよ7月です。発表までの1ヶ月間はしゃべることを全部日本語で書き出して、それを英語に訳しました。30分間の講演でしゃべることを全部暗記するのはこの期間では無理だったので、あらかじめ用意した英語を読む作戦でいくことにしました。
8月3日に東京を発ちました。その後は先日までのブログに書いたとおりです。
詳しくは書きませんが、この間に上司への説明や家族の説得などがあったことは、想像に難くないでしょう。特に、暖かく送り出してくれた同僚や上司と、休みの日もほどんどパソコンに向かっている私に愛想を尽かしつつも離婚せずにいてくれる妻に感謝します。
計画は重要です。しかし、綿密に計画して英会話教室に行って、2年後にはTOEICで何点とってなんてやっていたら、きっとAgile Conferenceで講演するという夢はもっと遠いものになっていたでしょう。
以前にもこのブログに書いたのですが、平鍋さんがブログにこんなことを書いていたのを思い出します。
最後のスライドは、セレンディピティについて。キャリアプランを考える上で、 偶有性の占める割合が大きく、計画通りにはいかない。しかし、「思う」、 ことがまず決定的に重要で、それが出来事を産み、行動を生む。特に「人に 会いに行く」ということはとても大きな意味を持つことを伝えたかった。
今回の旅の目的の1つがJames Shoreに会いに行くことでした。今、『』の監訳をしています。この本を読んで感激して、今年の年始のブログに書いて以来、ここまでつながってきました。不思議なものですね。
まだまだやりたいことは、いっぱいあります。
最後に、今回、Stacia Broderickからもらったこんな言葉でAgile2008を締めくくりたいと思います。
Best of luck to you in your agile journey!
2008年08月17日 [長年日記]
_ 新編 英和翻訳表現辞典
最近はいつも翻訳や監訳をやるときは手元に置いています。
『英和翻訳表現辞典』というのは英和辞典に載っていない訳語を集めた辞典です。思わず上手いとうなってしまうような訳語もあって、参考になります。収録語数は通常の英和辞典にはとても及びませんが、訳語を作り出すときの考え方がしっかりと書かれているので読んでいると勉強になります。
帯に書かれていた推薦の言葉を読んで、非常に耳が痛かったです。
翻訳はこなれた訳文で、原文の意味を的確に伝えるものでなければならない。 辞書の訳語を並べただけの生硬な訳文や自由奔放すぎる超訳は原文の意味を歪める場合も少なくない。 翻訳は外国語と日本語の差異を十分に考えたうえで、訳語を創造する複雑な作業である。
2008年08月20日 [長年日記]
_ 今年もやります!! XP祭り
「本当にやるのか?」と言われだしているXP祭りですが、今年もやります。
日時 : 9月6日 (土) 場所 : 練馬公民館
申し込み方法やセッション内容などの詳細は追ってお伝え致します。
とりあえず予定を空けておいてください。
_ かくたに [ご武運を!]