2009年05月02日 [長年日記]
_ プロダクティブ・プログラマ
献本いただきました。ありがとうございます。
目次を見ただけでも面白そうなトピックが並んでいて、献本いただいた日から他の読みかけの本を全部保留にして読みました。
最初の方を読んでTips集みたいなものかと思ったんですが、実は全然違いました。この本にはプログラマが生産性を高めるために必要な道具への向き合い方やプログラミングに対する考え方、習慣、プログラマの態度といったものについて書かれています。前半は例が具体的すぎるのでTipsみたいになっていますが、これは原則としても読めると思います。「自動化」や「正準化」といった私の好きなトピックスがあります。後半はオブジェクト指向の話だったり、YAGNIだったり、ルールを破る話だったり、具体的なコード例もあって面白く読めました。各章、各節のタイトルのつけ方が秀逸ですね。Neal Fordが最後の最後(15章)にツール(道具)の話を持ってきているのが非常に示唆的だと思いました。「弘法筆を選ばず」というのはやっぱり私たちの世界では違っていて、生産性を向上させるために道具や手段にとことんこだわれって言われているような気がしました。
トークイベントでも話が出ていましたが、会社で先輩が教えてくれないこと、横で見て盗んで覚えていたようなことが惜しみなく書かれています。私も社会人になってから本格的にプログラムを書くようになったので、こういうのはすごくありがたいんです。自分が2,3年目のときにこの本に出会っていればなと思います。そういう意味では20代の前半のうちに『』や『』に出会えたのは幸運でした。今はプログラムを書かない立場に半分足を突っ込んでいますが、この本の背後にある職人気質みたいなものを大事にしていきたいと思います。
_ Andy Huntのボールペン
Andy Huntが使っていると聞いて、fisherのボールペンを買ってきました。アポロ11号で月まで持っていったという代物。
『』はまだ読みかけですが、すごく面白い。
久しぶりに三宮センター街とか行ったけど、ナガサワ文具センターはなかなか品揃えが豊富でした。
2009年05月03日 [長年日記]
_ ノンデザイナーズ・デザインブック
読みました。
これは勉強になりました。この本の例に示されているとおり、身近なところではWebサイトをはじめパンフレットや名刺などをつくるときの参考になりそうです。
たった4つの原則(近接・整列・反復・コントラスト)を守るだけでこんなにも違ってくるもんなんですね。
他にも実例を示しながら
- Helvetica、Arial、Times、Sandを使うな
- 12ポイントの活字は間抜けに見える
- returnの2度打ちで行間を空けるな
などの主張が繰り返されていて、なるほどなと思わされました。
こういうのを読むとフォントを買いたくなるんですよね。
2009年05月06日 [長年日記]
_ Railsデプロイ
読みました。
最近、オライリーの本ばかり紹介しているような気がしますが、これはいい本だと思います。
いきなりSubversionの使い方の説明がはじまって最初はどうなることかと思いましたが、後半は怒濤の展開。Capistranoの使い方にとどまらずスケールアウトやパフォーマンスの話題まで、「Railsデプロイ」というタイトル以上の収穫がありました。Windows環境についても言及されているところが、プラグマティックで感心しました。連休明けから窓掃除すんのかな(?)。
細かいところですが、解説の文体が「こうすればうまくいきます」という表現になっているのが普通だと思いますが、「オレの環境ではこうれでうまくいった」みたいな表現になっているところがあって、ちょっと面白かったです。
2009年05月07日 [長年日記]
_ チーム・ダーウィン 「学習する組織」だけが生き残る
読みました。
『』みたいな感じで物語風になっているので読みやすいです。
『』が途中でほったらかしになっているので、ちゃんと読まなあかんなぁと思いました。
2009年05月09日 [長年日記]
_ tDiaryのバージョンアップ
tDiary 2.3.2がリリースされたのでバージョンアップしてみました。
Rubyのバージョンはまだ1.8系です。1.8.7-p160 でも発生するバグがあるということだったので、昨日の夜に1.8系のtrunkのHEADを取ってきた。そのうち 1.9.1 を入れます。
2009年05月10日 [長年日記]
_ なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?—小さな力で大きく動かす!システム思考の上手な使い方
随分前に読みました。
時系列変化パターングラフやループ図は活用できる場面が多そうです。こういう図を書いて考えるのを習慣にしたいですね。
システム思考の鉄則というのが分かりやすくまとめられていてよかったです。
- 急がば回れ
- 評価の時間軸を長期に持て
- 対症療法を避け、根治療に徹せよ
- 本当の問題を直視せよ
- 絶対的な目標を持て
- 評価基準を外に持て
- 多様性を高めよ
- 機会の平等を確保せよ
特に、多様性のところはグッと来ました。
システムそのものの力や、何かの衝撃を受けたときに耐え、 はね返す力(しなやかな強さ)をつくり出している一つの鍵は 多様性だからです。
2009年05月13日 [長年日記]
_ リファクタリング・ウェットウェア —達人プログラマーの思考法と学習法
読みました。
達人プログラマーによって書かれた自己啓発本です。ソフトウェア開発者のコンテキストに最適化されているので、自己啓発本が苦手な人も読んでみるといいんじゃないでしょうか。
確かに瞑想とか出てきますけど、怪しい意味で言っているのではないのでコンテキストを理解して読むといいと思います。
妻の髪型が変わっても気づかない理由がよく分かりました。
認識は予測に基づいている
人間の脳って不思議ですね。
一番に腑に落ちたのは
「時間がない」ではなく「帯域幅が足りない」・・・・・・
というくだりです。
私は「時間がない」という言い訳はしないようにしているのですが、「帯域幅が足りない」というのは上手いこと言ったもんだなと思いました。
翻訳がすごくノリノリで楽しんで読めました。図を手書きで書き直しているのがすごいですね。TAOADのときはタスクカードやホワイトボードの文字を手書きしようとかと思ったのですが、字が小さくつぶれてしまうからという理由でNGになったんですけどね。
2009年05月14日 [長年日記]
_ jQueryで作る Ajaxアプリケーション
読みました。
高橋さんがジュンク堂のイベントでおすすめされていたので買いました。
入門書にもリファレンスにもなる感じでした。
日本語で読めるjQueryの本はまだあまりないので、1冊目としてはいいかもしれません。
2009年05月16日 [長年日記]
_ アート・オブ・アジャイル デベロップメントの正誤表
随分長いあいだサボっていたのですが、『』の正誤表を更新しました。
http://fkino.net/taoad/?Errata
2刷ではこの正誤表にのっている以外の言い回し的なところも割と大胆に修正しているので、1刷をお持ちの方も2刷をお買い求めください :-)
2009年05月17日 [長年日記]
_ The Pragmatic Bookshelfの検索プラグイン
最近、Firefoxの検索バーを割と活用しているのですが、The Pragmatic Bookshelfの書籍検索に対応した検索プラグインがなさそうだったので作りました。
http://fkino.net/tool/opensearch-for-pragprog.html
The Pragmatic Bookshelfの検索はPOSTなので、OpenSearchの仕様的にIEには対応していません。
ソースコードはgithubにおきました。
git://github.com/fkino/opensearch-pragprog.git
2009年05月18日 [長年日記]
_ Head Firstソフトウェア開発 —頭とからだで覚えるソフトウェア開発の基本
読みました。
アジャイル開発と言わずにソフトウェア開発と言い切ってしまったところが素晴らしい。
これは中学校技術家庭科「情報基礎」の教科書に指定すべき。
2009年05月20日 [長年日記]
_ ダイアローグ 対話する組織
id:haru01が「私よりも歳上の人がターゲット」と書いていたので、読みました。
いきなりデイヴィッド・ポームの『』を読むのは腰が引けるという人もこれなら大丈夫なはずです。非常に読みやすく書かれています。
一番、ビビっときたのは
「変化(Change)」こそが「学ぶ」ということの「本質」なのではないか
という一節です。
今、自分が抱えている課題と直結していて、ブレイクスルーがありました。何度でも読み返したい1冊。
2009年05月28日 [長年日記]
_ ハイパフォーマンスWebサイト —高速サイトを実現する14のルール
随分前に読みました。
タイトルからデータベースなどのバックエンドのチューニングの話を想像しがちなのですが、この本にはフロントエンドのチューニングの話が書かれています。
この手の知識はともするとバッドノウハウとして扱われる傾向がありますが、それが分かりやすく14のルールにまとめられています。
待ち時間の80%はフロントエンドの処理に費やされているというショッキングなデータもあり、TOC的にもフロントエンドのチューニングをするのは割に合いそうです。
2009年05月31日 [長年日記]
_ コーヒーとサンドイッチの法則
読みました。
なるほど。勉強になりました。
そういや私もスタバに入って思わずサンドイッチまで買ってしまうことがあります。
有名な2:8の法則 (パレートの法則) の話があったり、リピート客をつかまえることがいかに大事かということが数字で示されていたり、製品ラインの話はへぇーっていう感じですごく参考になりました。
_ okoze [リファクタリング・ウェットウェアの参考文献に出てた本ですか。 面白そうなので、買ってみよう。]
_ fkino [リファクタリング・ウェットウェアの参考文献ではないですね。]